
我が家のわんこは、認知症のシニア犬でした。
夜鳴き、徘徊、ごはん問題、介護など、
さまざまな問題に対して試行錯誤をしてきました。
そのシニアわんこが先日、末期の膵炎と老衰で、
虹の橋に旅立ちました。
この記事は、体調の変化に気づいた日から、
実際に旅立つまでの経過を、時系列でそのまま残した記録です。
供養や気持ちの整理については、旅立ちから10日後の記録を、
ペットロスの体験談|心が少し楽になった「おうちでできる供養」と向き合い方
にまとめています。
わんこに託された「願い」
そのわんこが我が家にやってきたのは15年前。
私の母に余命が告げられたタイミングでした。
「この子(私)のそばにいてあげてね。守ってあげてね。」
そんな母の願いを託されて、わんこは我が家の家族になりました。
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好奇心旺盛で、やんちゃで活発な男の子でした。
ソファーの背もたれの定位置から、おうちを見渡すのが好きでした。
寝る場所は私の枕と壁のすきま。
上手に身体をねじ込んで、眠っていました。
どんな時でも、私のそばに寄り添ってくれていました。
母が託した願いを理解しているかのようでした。
ドッグランでは全力疾走。
ボール遊びに夢中になっていました。
雪のドッグランでは、粉雪を巻き上げて大興奮。
夏のプールでは、優雅に遊泳を楽しんでいました。
去勢手術の後もマーキングが収まらず、
マナーベルトがトレードマークになりました。
執拗にちょっかいを出して先住犬を怒らせてしまい、
反撃されて大怪我をして、救急病院に搬送されたこともありました。
母が亡くなった時も。
先住犬が虹の橋を渡った時も。
いつも、ずっと、そばにいてくれました。
認知症の発症をきっかけに「変わったこと」
そのわんこは、13歳の時に認知症を発症し、
14歳の時に耳が聞こえなくなりました。
ちょっとだけ気分屋で。
ちょっとだけ頑固になりました。
わんこの気持ちをもっと知りたくて。
わんこにしてあげられることを増やしたくて。
その頃、私は愛玩動物介護士の認定資格をとりました。
これまでたべていたごはんを残すようになり、
食べてくれるシニア犬専用のフードを探しました。
あまりお水を飲まなくなり、
給水器を流水タイプに変えて飲んでもらうようにしました。
同時にはじまった夜鳴き。
最初は、寝不足でノイローゼになりそうでした。
でも、試行錯誤の末に少しコントロールできるようになりました。
認知症の影響で、夜間の徘徊もはじまりました。
わんこが安全に快適に歩き回れるように、
いろいろなグッズを試したり、お部屋を改造したりしました。
人間にもわんこにも効果があると言われる、
アロマテラピーやハーブも取り入れて、
精神的に少しでも、穏やかに過ごせる工夫もしました。
心穏やかに触れ合う時間が増えたことで、
コミュニケーションの時間が増えました。
できないことや、わからないことが少しずつ増えていきました。
これまで問題なくできていた、ケアを嫌がることもでてきました。
それでも、変わらずそばにいてくれました。
突然訪れた「体調の悪化と看取りの時間」
ある日、ごはんのあと、少し吐き戻しがありました。
その日は、様子を見ることにして、安静に過ごさせました。
次の日は、ごはんを食べる量が減り、
早朝に嘔吐がありました。
翌々日は、ごはんを全く食べなくなり、
早朝に複数回の嘔吐がありました。
病院に連れていき、診察や検査をしてもらいました。
診断は「急性膵炎」
取り急ぎ、点滴をしてもらい、飲み薬をもらいました。
しかし、帰宅後も何度も嘔吐してしまい、
何も口にしないので、お薬を飲ますこともできません。
翌日、再び病院に連れていきました。
入院して点滴で投薬や水分補給をすることになりました。
詳しい検査も、してもらえることになりました。
5日間入院して点滴治療を受けましたが、
病状も検査の数値も改善することはありませんでした。
「膵臓をはじめとする、多臓器不全の状態」
「高齢による、いわゆる老衰の状態」
ここからは、看取りを考えていく必要があると言われました。
わずかなお水を口にするだけで、
ごはんもおやつも一切食べることはできません。
わずかなお水を口にしても、
それが刺激となって、何度も嘔吐してしまいます。
身体を震わせて何度も嘔吐する姿は本当に痛々しくて。
2週間ですっかりやせ細ってしまいました。
定期的に点滴や注射で栄養や水分を入れて延命を図ることはできる。
でも、それはわんこの苦しみの時間を延長させることになる。
「この先、どうするかは、飼い主さんの判断です。」
獣医師さんが提示してくれた、選択肢の意味が痛いほど分かりました。
「少しでも長生きしてほしい」という医療行為は、
お別れを先延ばしにすることはできる。
でも、わんこからすれば、身体に針を打たれて痛い思いをする。
何も口にできず、苦しんで繰り返し嘔吐するという、
しんどい時間の引き延ばしにすぎないのです。
とにかく、残された時間は思うままに自由に過ごしてほしい。
おうちの中は、自由に行動できるようにしました。
体調の良い日は、窓越しに日光浴をしたり。
キッチンに入り込んで、私の作業をそばで見ていたりしました。
吐瀉物で汚れてしまった身体を、
ウェットティッシュで拭いてあげる。
嘔吐が続き、震える身体をさすってあげる。
できることはそれだけでした。
それでも。
やせ細った身体でゆっくりと歩き、
私のいる部屋で横になり、
変わらずそばにいてくれました。
虹の橋に旅立った日のこと
その日の夕方、嘔吐したあと、ふらふらとベッドに倒れ込みました。
その後、ゆっくりとした呼吸と、浅く早い呼吸を繰り返しました。
体調が悪くなり、わずかなお水しか口にしなくなって3週間。
覚悟はしていましたが、今までと違う様子に涙が止まりませんでした。
でも。
私が泣いていると、いつもそばに来て、顔を舐めてくれる子です。
私が心配をかけたら、心残りができて、旅立てなくなってしまう。
だから。
「今までたくさん守ってくれてありがとうね」
「でも、もう頑張らなくていいよ。苦しかったよね。よく頑張ったね」
繰り返し声をかけて、身体をやさしくさすり続けました。
変わらず、ゆっくりした呼吸と浅く早い呼吸を繰り返していました。
何度か、立ち上がろうと脚を動かす様子も見られました。
ベッドに倒れ込んで数時間は、目も開いていて意識がありましたが。
その後は、朦朧として、意識が薄くなっていきました。
呼吸がゆっくりになり、止まるようになりました。
そして、深い呼吸を最後に、眠るように旅立っていきました。
小さな身体で、苦しそうに嘔吐を繰り返す日々でしたが。
最後は、静かで、おだやかな表情でした。
大好きなわんこへ「たくさんの感謝を込めて」
わんこが虹の橋に旅立って1週間。
あんなに悩みの種だった、夜鳴きがなつかしく感じます。
深夜の徘徊の足音がしないことが寂しいです。
葬儀のために、これまでの写真を見返す時間がありました。
海にも山にも観光地にも、たくさんお出かけしました。
温泉もプールも雪遊びも、思い出がいっぱいです。
不器用ながらも、私をなぐさめてくれている、
同居犬とのご縁も作ってくれました。
毎日の「いってくるね」と「ただいま」。
玄関までお見送りとお出迎えをしてくれました。
当たり前だった「おはよう」と「おやすみ」。
いつもしっぽを振って応えてくれました。
長い間ずっとそばにいてくれて、守ってくれました。
かけがえのない、宝物のような時間を残してくれました。
わんこに伝えたいことは。
「ありがとう」それだけです。
自分なりに、介護も看病もケアも。
手探りではありますが、できることは全部やり尽くしました。
だから、後悔の気持ちはありませんでした。
たくさんの感謝の気持ちを込めて、拾骨をしました。
あちらでは、苦しみも病気もなく過ごせていますように。
大好きだった先住犬と、出逢えていますように。
おいしいごはんを、たくさん食べていますように。
お気に入りのおやつを、満喫していますように。
心のままに、お散歩を楽しんでいますように。
広い場所で、思いっきり走れていますように。
私がそちらに行くその日まで。
しばらくのお別れです。
あちらには、母も先住犬もお友達犬もいるので、
楽しく元気に過ごしていてくれると信じています。
「あの子はうちの子で幸せだったかな」
まだ、涙がでることがあります。
涙が止まらなくなる夜もあります。
そんな時は、笑顔の写真を見返すようにしています。
「うちの子になってくれてありがとう。」
「大好きだよ。また会おうね。」

まとめ:見送った日に、伝えたかったこと
体調の変化に気づいてから、旅立つまでは、
あっという間の出来事でした。
あの時の私は、
ただ「ありがとう」を伝えることしかできませんでした。
この記事は、旅立ちの瞬間そのものを残した記録です。
そのあと少しずつ気持ちを立て直していった時間は、
ペットロスの体験談|心が少し楽になった「おうちでできる供養」と向き合い方
に綴っています。
同じように見送る日を迎えた方、
これから迎える方の「わかる」に、そっと寄り添えたら幸いです。
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