しつけを手放した先にあったもの|大きな赤ちゃんになったシニア犬がくれた宝物

わんことの暮らし感情記事 わんこたちと歩いた日々
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この記事では、 
認知症の影響で変化していくシニアわんこと暮らす中で、
当時はうまく言葉にできなかった迷いや不安、正直な気持ちを、  
そのままの形で綴っています。

同じように悩んだり、戸惑ったりしている方の 
「私だけじゃなかった」と思える時間になれば幸いです。

この記事で伝えたいこと
  • シニア犬がルールやしつけを守れなくなったときの向き合い方
  • 「怒りの感情を切り離した介護」の先にあった気持ちの変化
  • 夜鳴き・夜間徘徊・最期のケアを経て残ったもの
  • 介護が終わったあと、心に残る『意味』の話

「待て」のコマンドは、気持ちだけになった

ルールやしつけは、もうほとんど分からなくなっていた。
「待て」のコマンドは、気持ちだけになった。

若い頃はできていた「待て」
きちんと座って、合図を待っていた。

でも、シニア期に入ると、
身体は止まっていても、気持ちが先に動く。

待とうとはしている。
でも、待てない。

私は、それでいいと思った。
気持ちだけ、受け取ればいい。

同居犬の行動に、我慢せずに感情を出すようになった

どんな時も、同居犬に優先順位を譲ってくれる優しい子だった。

でも、シニア期に入ると、
同居犬の行動にも、我慢せず感情を出すようになった。

唸るようになった。
攻撃的な態度をとるようになった。

昔なら「絶対にやってはいけないこと」

でも私は、怒らなくなっていた。
それは、諦めじゃない。

残された時間で、
本当はやりたかったことを、叶えているように思えたから。
自分に正直に生きているような気がしたから。

この子は、
無邪気で、自分に正直な赤ちゃんに戻っただけなんだ。

怒りの感情を切り離した介護

私は、怒らなくなった。

立ち入り禁止を守れなくなっても。
飛びついてきても。
ルールが分からなくなっても。

私は、怒らなくなった。

叱るよりも、
「やりたかったんだね」と思えるようになった。

この子は、
たくさんのことを、ずっと我慢してきたのかもしれない。

そう考えることで「怒り」という感情を切り離すことができた。

耳が聞こえなくなっても、足取りがおぼつかなくなっても

やがて、
耳はほとんど聞こえなくなった。

夜間徘徊のおかげで、
最後まで歩けてはいたけれど、
足取りはおぼつかなくなった。

ぼんやりと宙を見つめていることが増えた。
全ての動きがゆっくりになった。

それでも、
トテトテと歩いてきて、
私のいる部屋に入ってくる。

そして、
私のそばでウトウトする。

わんことの限られた時間は、きっとあとわずか。

だから、
そんな何気ない時間が、愛おしくて、本当に幸せだった。

心の準備ができるのを待っていてくれた最後の3週間

ある日を境に、食事を全くとらなくなった。

病院での検査結果は、「末期の膵炎」「多臓器不全の状態」

集中治療と投薬で3日間の入院治療をしたけれど、
状態も数値も良くなることはなかった。

お水だけは飲める。
でも、お水の刺激で嘔吐が続く。

毎日、何回も嘔吐した。
確実にやせ細り、弱っていった。

体を震わせて苦しそうに嘔吐するわんこ。
背中を撫でることしかできなかった。

そんな状態になっても、
ふらふらと私のいる部屋にきてくれた。

骨の形が分かるようになった、やせた身体を撫でながら、
「苦しいよね。しんどいよね。もう頑張らなくていいよ。」
そう声をかけることしかできなかった。

食事を全くとらなくなって3週間。

旅立つ当日も、
すっかり弱った身体で家族全員の帰宅を出迎えた。

そしてその日の深夜。
みんなに見守られて、わんこは虹の橋を渡った。

まとめ:すべて、宝物だった

正直に言えば、
夜鳴きも、夜間徘徊も、旅立つ直前のケアも、
本当に本当に大変だった。

眠れない日もたくさんあった。
夜泣きが止まらない夜は、ひどいことも考えた。
吐瀉物の片付けで、心が折れそうにもなった。

こんな生活いつまで続くんだろうと思った。
心も身体もギリギリだった。

それでも今、
振り返って思う。

わんこと一緒に過ごした時間は宝物だった。

思うようにいかなかった日も。
涙が出た夜も。

すべてが、宝物だった。

いつも私のいる部屋に来てくれたことも。
旅立つ当日まで、お出迎えをしてくれたことも。

もう、その姿を見ることはできないし、
可愛い足音を聞くこともできないけれど。

私は、あの子のことを忘れないし。
宝物をこの先も、大切に抱えていく。

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