
◀ 第18話 【実体験】犬の名前が決まった瞬間|家族旅行の記憶とつながった話
次の記事:
▶ 第20話 老犬の認知症で変わった関係性|2匹の距離が少しずつ離れていった話
これは「わんことの時間の記録」シリーズ第19話です。
ゆずと名付けた妹わんこが、水を飲みすぎる。1日に1リットル近く。
血液検査をしても、異常なし。
それでも多飲は止まらず、最後にたどり着いた診断は「心因性多飲」でした。
原因は、病気ではなく“心”。
思い当たったのは、認知症になったまめわんこと、
余裕をなくしていた私たち家族の毎日でした。
夜鳴き、徘徊、崩れる生活リズム。
認知症介護で精一杯だった私は、
その裏で、もう一頭が静かに限界を迎えていることに気づけていませんでした。
この記事では、
検査で異常が出ない多飲の原因が分かるまでの流れと、
多頭飼いで見落としがちな「もう一頭のストレス」について、
実体験をもとに正直に書きます。
【関連記事】認知症の「はじまり」についてはこちら
シニア犬の夜鳴きは突然始まった|認知症だと思えなかった最初の日
シニア犬の夜鳴きで病院に行くべきか迷った日|電話相談から始まった覚悟
- 犬が水を飲みすぎるときに、まず疑う病気と受診の目安
- 血液検査で異常なしでも多飲が続いたときの、次のステップ
- 「心因性多飲」とはどんな状態か
- 認知症の犬がいる多頭飼いで、もう一頭に出やすいストレスサイン
- 我が家が実際に見直した、暮らしの環境
認知症介護で、我が家の生活が一変した
妹わんこが家族になってから約2年。
8歳になったまめわんこが、認知症を発症しました。
夜鳴き、徘徊、崩れる生活リズム。
夜中も落ち着いて眠れず、何が正解なのか分からないまま、試行錯誤が続きました。
この“立て直せなかった半年”は、今振り返っても本当にきつかったです。
毎日が「認知症と戦う」ことで精一杯。
でもその裏で、妹わんこにも、静かに異変が起きていました。
【関連記事】介護の具体的な工夫は別記事にまとめています
シニア犬の夜鳴きと徘徊が始まった初期|眠れない中で試行錯誤した日々
犬の夜鳴きが近所迷惑で怖い夜に|苦情を防ぐ5つの対策【実体験】
犬の夜間徘徊・夜鳴きで眠れない夜に|「起きない」選択をした環境づくり【実体験】
妹わんこの水を飲む量が、明らかに増えた
最初の異変は、水を飲む量でした。
気づけば、1日に1リットル近く飲むようになっていたのです。
水入れが1日に何回も空になり、「水」に 取り憑かれているようでした
「これは明らかにおかしい」と感じ、すぐに動物病院へ向かいました。
犬が水を飲みすぎるときの目安と、疑われる病気
ここで、獣医師さんの言葉を整理しておきます。
1日の飲水量の目安
一般に、わんこのの1日の飲水量は、
体重1kgあたり50〜60ml前後が目安とされます。
飲水量が100mlを超える状態が続くと「多飲」の可能性があると判断されます。
(体重5kgなら、目安は約250〜300ml。500mlを超えたら要注意)
※個体差・気温・フードの種類(ドライかウェットか)でも変わります。
多飲の背景として疑われやすい病気
多飲・多尿は、病気のサインであることが少なくありません。
「様子を見よう」と自己判断せず、まず動物病院で検査を受けてください。
※この記事は体験談であり、診断や治療を目的としたものではありません。
愛犬の症状は必ず獣医師にご相談ください。
◆正しく飲水量を把握するために、給水器を変えました◆
検査を重ねても「異常なし」だった
最初に疑われたのは、糖尿病などの病気。
血液検査をはじめ、いくつもの検査を受けました。
結果は、すべて異常なし。
それでも多飲は続きました。
原因が分からないまま、
「何か見逃しているのでは」という不安だけが大きくなっていきました。
高度医療センターで出た診断は「心因性多飲」
かかりつけ医からの紹介で、高度医療センターへ。
丸1日かけて、精密検査を受けました。
血液検査、MRI、レントゲン、尿や便検査、超音波…。
費用は、海外旅行1回分ほどかかりました。
そこで出た診断が、「心因性多飲」でした。
心因性多飲とは、身体の病気ではなく、
ストレスや不安などの心の影響で水を過剰に飲んでしまう状態のことです。
病気が隠れていないことを確認したうえで、はじめてたどり着く診断でもあります。
「異常なし」と言われたのに水を飲み続ける。
そんなときは、心の側面も含めて診てもらう選択肢があることを、
私はこのとき初めて知りました。
問診で「心当たりは?」と聞かれて、はっとした
問診の中で、先生からこう聞かれました。
「この子が心を病んでしまうような原因に、心当たりはありますか?」
「環境の変化とか、ご家族の変化とか、何かありませんか?」
その瞬間、思い当たることが次々と浮かびました。
妹わんこは何も言わず、そのすべてを受け止め続けていたのだと思います。
【関連記事】シニアわんこの介護を続けるためのセルフケア
老犬介護で疲れた飼い主へ| 壊れないためのセルフケア3つと回復の考え方【実体験】
老犬介護で限界を感じたらやめていいこと5つ|私が一度離れて立て直せた対処法
認知症の犬がいる多頭飼いで、もう一頭に出やすいサイン
妹わんこのケースは水の飲みすぎでしたが、ストレスは別の形で出ることもあります。
一般的に、次のような変化は、見直すきっかけになります。
私のように「介護中の子ばかり見てしまう」状況では、こうした変化は見落とされがちです。
気づけたのは、病院で問診でした。
我が家で見直したこと
診断後、妹わんこが安心して過ごせる環境を整えることを最優先にしました。
その結果、徐々にお水を飲む量は正常に戻り、
これまで通りの無邪気な笑顔を見せてくれるようになりました。
◆「自分だけのスペース」を確保するために新たなケージを用意しました◆
多頭飼いは「もう一頭への影響」まで考える
当時の私は、正直、まめわんこのことで頭がいっぱいでした。
でも、多頭飼いは違います。
一頭の変化は、もう一頭に確実に影響します。
そして、大きな声で訴えないもう一頭ほど、ひとりで受け止めてしまいます。
どちらか一方だけを見るのではなく、“全体のバランス”を見ること。
それが、この経験で一番強く思い知ったことです。
FAQ
Q. 犬の心因性多飲とは何ですか?
A. 身体の病気ではなく、ストレスや不安、退屈などの心理的な要因で、
水を過剰に飲んでしまう状態です。
診断には、糖尿病や腎臓病などの病気がないことを確認する検査が前提になります。
Q. 犬の1日の水の量はどれくらいが目安ですか?
A. 一般に体重1kgあたり50〜60ml前後が目安で、
100mlを超える状態が続く場合は多飲の可能性があるといわれています。
気温やフードの種類でも変わるため、
普段の量を記録しておくと変化に気づきやすくなります。
Q. 犬が水を飲みすぎるとき、すぐ病院に行くべきですか?
A. 多飲・多尿は病気のサインであることが多いため、
自己判断せず早めの受診をおすすめします。
ストレスが原因かどうかは、病気を除外してから判断されます。
Q. 認知症の犬と暮らすと、もう一頭の犬にも影響がありますか?
A. 夜鳴きや生活リズムの乱れ、飼い主の余裕のなさなどが、
もう一頭のストレスになることがあります。
食欲、睡眠、飲水量、飼い主との距離感などの変化に注意してあげてください。
Q. 犬のストレスで水を飲みすぎている場合、どう対応すればいいですか?
A. まず獣医師に相談し、病的要素がないことを確認した上で、
ストレス要因(生活環境・飼い主との関係など)を一緒に整理するのが基本です。
自己判断で水を制限するのは危険なため、必ず獣医師の指示に従ってください。
H2:まとめ|見えないストレスは、体に出る
認知症介護の裏で、妹わんこは心をすり減らしていました。
- 原因不明の多飲
- 検査では異常なし
- 最終的な診断は「心因性多飲」
水を飲む量の変化は、
病気のサインのことも、心のサインのこともあります。
まずは動物病院で身体の病気を確認し、
そのうえで、暮らしの中のストレスにも目を向けてみてください。
介護をがんばっている飼い主さんほど、
もう一頭の「静かな変化」に気づく余裕がなくなります。
この記事が、その小さな気づきのきっかけになれば嬉しいです。
【関連記事】認知症のわんことの時間はこちら
シニア犬の認知症介護3年間の記録| 夜鳴き・徘徊・看取りまで…変化と乗り越え方
シニア犬の認知症介護にかかった3年間の費用|「洗う」を「捨てる」に切替えた理由
認知症わんことの介護日記|3年間を最初から順番に読む全記録
【関連記事】信頼できる動物病院とシニアわんこの通院について
信頼できる動物病院の見つけ方|セカンドオピニオンで気づいた判断基準
シニア犬の通院対策|ペットキャリーを使う理由と病院で守るべき自己防衛
シニア犬の車移動|ドライブボックスをやめた理由と防水シーツを併用する選択
◀ 第18話 【実体験】犬の名前が決まった瞬間|家族旅行の記憶とつながった話
次の記事:
▶ 第20話 老犬の認知症で変わった関係性|2匹の距離が少しずつ離れていった話


