
この記事では、
認知症の影響で変化していくシニアわんこと暮らす中で、
当時はうまく言葉にできなかった迷いや不安、正直な気持ちを、
そのままの形で綴っています。
同じように悩んだり、戸惑ったりしている方の
「私だけじゃなかった」と思える時間になれば幸いです。
- シニア犬が「しつけを守れなくなる」理由の捉え方
- ケアを嫌がる・飛びつく行動の裏にある気持ち
- 認知症や老化で変わる“ルールとしつけ”との向き合い方
- 介護する側の心が少し楽になる考え方
次々と表に出てくる本音
年を重ねるにつれて、
できていたことが、どんどんできなくなっていった。
最初は戸惑った。
「しつけが崩れた」「わがままになった」
そんな言葉が頭に浮かんだ。
でも、あるとき気づいた。
これは『退化』じゃない。
本音が、表に出てきただけなんじゃないかって。
立ち入り禁止のキッチンで本当はやりたかったこと
キッチンは、ずっと立ち入り禁止だと教えてきた。
危ないし、作業の邪魔になるから。
でも、シニア期に入ってから、
当たり前のように、入ってくるようになった。
最初は注意すれば、キッチンから出て行ってくれた。
やがて、注意しても出ていかなくなった。
抱っこしてキッチンの外に出した。
それでも、また入ってくる…
キッチンに入って、何をしているかというと、
私の足元で、くつろいでいるだけ。
いたずらをするわけでもない。
何かを欲しがるわけでもない。
ただ、そばにいて、時々私の様子を見ていた。
目が合うと、小さく尻尾を振ってくれた。
ある時ふと思った。
この子は、私のそばにいたかっただけなんだって。
ケアが苦手だと伝えてきたこと
若い頃は、どこを触っても問題のないおとなしい子だった。
顔周りのケアもスムーズだった。
でも、シニア期に入ると、
手を伸ばすだけで、ぷいっと顔を背けるようになった。
無理に続けると、小さく唸るようになった。
シニアわんこは、視力の低下や感覚の変化で、
若い頃にできていたことが、苦手になることがある。
理屈では分かっていたけれど、
何だか信頼されてない気がして落ち込んだ。
でも、それは信頼関係が崩れたわけではなく、
「嫌だ」という気持ちを、ちゃんと出せるようになっただけ。
それに気がついてからは、
ケアは「やらなくてはいけないこと」ではなく、
「できたらラッキー」だと思うことにした。
本当は今まで、いろんなことを我慢していたのかもしれない。
感情のままに行動するようになったこと
危ないから「飛びつきはダメ」。
小さい頃から厳しく教えてきたルールだった。
でも、シニア期に入ると、
全力で飛びついてくるようになった。
「嬉しい!」
「それ欲しい!」
感情のままに、勢いよく飛びついてくる。
その姿を見て、
私は叱る代わりに、こう思った。
「この子は、こんなに感情豊かだったんだ。」
本音がどんどん出てくる
ルールが曖昧になる。
しつけが分からなくなる。
それは、
我慢してきた気持ちのブレーキが、
少しずつ外れていくことなのかもしれない。
ルールやしつけを知らない、
赤ちゃんの頃に戻っただけなのかもしれない。
それを、ようやく表に出せるようになった。
ルールやしつけが分からなくなったわんこは、
無邪気な赤ちゃんだった。
まとめ:できなくなったことを責めない
しつけやルールが分からなくなったことに最初は戸惑った。
もちろん、怒ったこともある。
でも、無邪気に本音で行動している姿は、
前よりも愛おしく感じることもある。
「できなくなったこと」を責めるより、
「出てきた本音」を見てあげると、少しだけ心が楽になる。
頑張ってルールやしつけを教えてきた日々が、
無駄だったわけじゃない。
ただ、
時が流れて、今は別のステージに入っただけ。
こちらを見上げてくる可愛い瞳は、何も変わっていない。
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⑤シニア犬がしつけを忘れた時の向き合い方|叱らない選択は間違いではなかった
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